横浜国立大学
横浜国立大学統計的因果推論研究拠点
Research Center
for Statistical Causal Inference

統計的因果推論研究拠点とは

About Us

本研究拠点の目的

本研究拠点は、観察データに基づいて因果関係を明らかにするための統計的因果推論の理論と方法論に関する研究を行い、その成果を社会に還元すること、そして、工学、情報科学、政治学、経済学、行動科学、医学など、さまざまな分野で第一線に立つ統計的因果推論研究者が連携したゆるやかな学際的ネットワークを構築することを目的として設立され、2025年11月27日に横浜国立大学の研究拠点として認定を受けました。

本研究拠点の存在意義

近年、データサイエンス技術の急速な発展により、さまざまな分野で大量の観察データが活用されるようになってきました。しかしながら、観察データに利用して因果関係を明らかにすることは、現在もなお容易なことではありません。これまで、統計的因果推論は、従来の統計科学・データサイエンス技術が得意としてきた「予測」を超えて、介入、戦略、政策、治療などの効果を統計的に評価するフレームワークを提供してきました。しかしながら、現実のデータには、交絡バイアス、選択バイアス、サンプリングバイアスなど、さまざまなバイアスが含まれているため、この問題を解決するためには多くの困難がともないます。本研究拠点は、こうした課題に対して、統計的因果推論の理論構築・技術開発・社会実装を一体的に進めることで、データに基づく意思決定(Evidence-based Decision Making:EBDM)を支援するとともに、データ駆動型社会における「信頼できる統計的因果推論・データサイエンス技術」の確立に貢献することを目指しています。また、工学、情報科学、政治学、経済学、行動科学、医学など、さまざまな分野で第一線に立ちながらも点在している統計的因果推論研究者をつなぐ学際的ネットワークを形成し、分野横断的な研究推進を図ることも、本研究拠点の重要な目的の一つだと考えています。

本研究拠点の活動内容

本研究拠点では、次の三つを主なミッションとして掲げています。

  1. 観察データから因果関係を定量的に明らかにするための、統計的因果推論技術の体系的構築
  2. 理論構築・技術開発・社会実践を一体的に進める三位一体型の研究展開
  3. 工学、情報科学、政治学、経済学、行動科学、医学などの分野で第一線に立つ研究者による、統計的因果推論を軸としたゆるやかな学際的ネットワークの構築

加えて、最新のデータサイエンス技術との統合をはかりながら、観察データから因果関係を明らかにするためのフレームワークを理論的に整備し、信頼性の高い統計的因果推論技術の確立をはかりたいと考えています。

本研究拠点の特徴

本研究拠点の大きな特徴は、工学、情報科学、政治学、経済学、行動科学、医学など、さまざまな分野の第一線で活躍する統計的因果推論研究者に参画いただいている点にあります。また、滋賀大学の先端因果推論特別研究チーム、そして理化学研究所革新知能統合研究センターの因果推論チーム経済経営情報融合分析チームなど、学内外の研究グループと連携しながら学術活動を推進しています。こうした連携を通じて、実データから理論的課題を抽出し、統計的因果推論技術の改良・拡張へとつなげる循環を生み出し、理論と応用を架橋する学際的な研究基盤の形成と統計的因果推論研究者・実務家によるゆるやかな学際的ネットワークの構築を目指していることも本研究拠点の大きな特徴の一つといえると思います。

本研究拠点の将来構想

将来的には、統計的因果推論研究の学際的ネットワークをさらに発展させ、理論・技術・応用を包括する学際的研究基盤の形成を目指しています。特に、実質科学における意思決定支援などの応用展開を通じて、「統計的因果推論に基づくデータサイエンス技術」の確立を推進し、データ駆動型社会における科学的かつ信頼性の高い意思決定を支える理論的基盤として機能することを目指していきたいと考えています。